相続が発生する前に

相続開始前で「争族対策」が必要な方

相続で問題になりやすいのは遺産分割の際の家族間での話し合いです。ですので、安易に節税対策に走らず、先に遺産分割の対策をしっかりと準備することをおすすめします。相続財産が少なく、相続申告が必要でない方でも、遺産分割の問題がついてきます。例えば下記の内容があげられます。

 

財産には借金もありますので、財産の一覧表を作成することをお勧めします。そして財産より借金が多い場合は限定承認という方法があります。

限定承認では、もっている財産の限度でしか借金を相続しないというもので、事前に準備する必要があります。

 

相続財産を全て調査し、財産と相続人が確定すると、どのように分配するかを考えます。
分配が全て、現金なら綺麗に分けることができるのですが、土地や不動産などの時価が異なるものはもめる対称です。早期に遺言書や法定相続分などきっちり対策をしましょう。

 

生前に被相続人の遺言書に記載があれば、血縁関係がなくても財産を譲渡することも可能です。ただ、民法では兄弟姉妹以外の相続人には最低限の財産の分配を保証するようになっております。

開始前 相続税対策

 


相続税の納付は基本的に金銭による一括納付が義務付けられています。

ですので、まずは金銭による一括納付が可能かどうかを確認する必要があります。そして納付期限までに相続税の全額を納付できるかどうか、納付期限までであれば、いくら支払い可能かを提出する必要があります。
また、相続税の納付は金融機関や税務署に納付いたします。

 

延納とは、一括でお支払いが困難な方向けに、分割で相続税を支払う方法です。ローンのように分割での利子税がかかってきます。延納期間や利子税の利率は、財産の内容によって異なってきます。また一部の場合を除き、担保を提供する必要があります。

・分割払いの期間は最長で5年~20年(条件による、原則は5年)
・金利は年2.1%~6.6%

【認められる前提条件】
●現金一括払いが困難
●相続税の額が10万円超
●原則、担保の提供が必要
●延納申請書の提出

担保も必要となるため、そもそも申請が認められないケースもあります。
※平成18年4月より申告期限から10年以内に限り、延納から物納への変更の申請も可能となりました。

 

物納とは、延納での納付がこんなんだと認められた方が、土地や不動産などの現金以外でお支払いする方法です。
基本的には国が管理しやすく、状態が良好なものでなければ、認められません。
物納が認められる条件は下記です。

・延納でも相続税の納付が困難
・不動産の場合であれば、隣接領地の境界の策定
・不動産が道路に面している場合であれば、その境界の確認・証明
・財務局の立会調査
・物納申請書を提出し、税務署長の許可を得ること
・その財産が物納するにあたり、良好な財産であること

管理や良好な状態でない、不適当な財産は物納が認められません。
物納での価格は相続位の財産評価に起因します。また、相続税を物納する場合は財産譲渡がなかったものとみなされます。

 

納税資金を補うために、相続した不動産を売却し、そのお金でまかなう方法があります。

不動産によって、相続税評価額に比べて、高い値段で売却できることもあります。なぜなら相続税評価額は通常時価の8割程度でしかないからです。しかし、不動産会社の仲介手数料や、譲渡にともなう所得税などが発生し、結果あまり相続税評価額と変わらないこともあります。

ただし、相続税の申告期限から3年以内に、相続した不動産を売ると、一定の税金に対して譲渡所得税を軽減することが可能です。

相続税節税対策

 

節税対策ではお客様の現状分析を踏まえ、相続税を減らすことができるか検討、実行します。

節税をする上で、生命保険の活用は非常にある有効な方法です。
生命保険には、非課税限度額というものがあり、法定相続人の数に500万円を乗じた額が税金免除とされます。
例を上げると、配偶者と子供が相続人であれば、1000万円まで、相続税がかかりません。
ですので、納税義務がある場合は生命保険を活用し、相続人を受取人とした生命保険に加入された方が良いでしょう。

そして、生命保険は家族間の遺産争いにも活用できます。なぜなら、生命保険金は遺産分割の対象外の財産とみなされ、生命保険の受取人の固有になるからです。
しかし、もともとは相続財産としてみなされるので、相続税の計算には含められます。

たとえば、1億円の財産と生命保険金が5000万円あるとします。この中で、遺産分割協議対称になるのは1億円のみです。
被相続人が、財産を渡したい人がいれば、生前に生命保険に加入し、受取人を渡したい相続人に指定することで争続問題を避けることができます。

 

不動産と現金の相続税評価額を比べると不動産の方が節税に結びつきます。

土地については、通常時価の約80%、建物の評価は通常建築価格の約60%程になります。
たとえば、現金5億円を持っていれば、相続税評価額は5億円です。しかし5億円の建物を購入すると、3億が評価額になり、それに対して税金がかかります。